『金色のガッシュ!!』には、魔界の王を決めるために100体の魔物の子が人間界へやってくる…という設定がありますが、実際に原作漫画に何体の魔物が登場していたのか、正確に数えたことはあるでしょうか?
この記事は、その疑問を解消すべく『金色のガッシュ!!』全323話を対象に魔物の登場数を徹底カウントした記事の【後編】です。
まだ【前編】をご覧になっていない方は、1巻~5巻までに登場する魔物38体を紹介した前半の記事からお読みいただくと、より楽しめると思います。

それでは、残る魔物を数えていきましょう!
カウントのルール
- ルール1:参照する資料は「金色のガッシュ!!」全323話のみとする
- ルール2:千年前の魔物はカウントしない
- ルール3:作中内での時系列は考慮せず、登場した順とする
- ルール4:戦いに参加していることが明確な魔物のみカウントする
- ルール5:原作に描写がない場合、Wikipediaの情報を出典としています。
6巻から登場する魔物
039 パティ
登場:6巻 LEVEL.100|属性:水(術:アクルなど)
パートナー:ウルル|本の色:濃いオレンジ
印象的なセリフ:6巻 LEVEL.104
「アーーーーーイル・ビーーーーーーバーーーーーーーーーーック!!!」
記念すべき100話に登場したのはパティです。
水属性の術を使い、ガッシュに熱烈に恋をしている女の子として描かれました。
当初は敵として登場しますが、デモルト戦でガッシュチームに加わります。デモルトを相手に奮戦し、月の石を破壊する活躍をします。
舞台は本格的に石板編へと移ります。
ここからしばらく、新たに登場する現代の魔物はありません。
9巻から登場する魔物
本の色、一部の魔物やパートナーなど、Wikipediaに情報があるものはWikipediaを参照しています。特に本の色は、原作に描写のないキャラが多いため、Wikipediaの記述を中心に補完しています。
040 コーラルQ
登場:9巻 LEVEL.164|属性:機械と思われる(術:ロボルガなど)
パートナー:グラブ|本の色:ハバナローズ
印象的なセリフ:9巻 LEVEL.165
「ペッペッペッ ピヨ麿ペッペッ!!」
私が最も好きな魔物コーラルQです。
メチャクチャな変形、清麿をピヨ麿と呼ぶ、「グラブ!!」と叫ぶたびにツバが飛ぶところ、塩水が大好きなところなど全てが可愛い魔物。ガキーンゴキーンガシャーンの擬音だけで笑えるの、本当にすごいと思います。
続編であるガッシュ2でも登場し、今度はガッシュ&清麿ペアと共闘した姿は、界隈の度肝を抜きました。私は大喜びしました。
また、並み居る人気キャラクターを差し置いてコーラルQの魅力を紹介するためだけの記事を書いた程度にはコーラルQを愛しています。

041 テッド
登場:9巻 LEVEL.169|属性:格闘と思われる(術:ドラグナー・ナグルなど)
パートナー:ジード|本の色:サックスブルー
印象的なセリフ:9巻 LEVEL.169
「よぉ、手ぇ出しな。ガムやるよ。」
物語はファウード編へと突入しますが、ダニーに次ぐガッシュの兄貴分、テッドの登場です。
肉体強化と腕っぷしのみで強敵を打ち破り、チェリッシュを救う姿は我々の心を熱くしました。
サンデーの付録に超強いカードがついていましたね。私は神谷君のダニー・テッドデッキにボコボコにされてガッシュカードをやめました。
042 アース
登場:9巻 LEVEL.169|属性:強化orはがねと思われる(術:ソルセンなど)
パートナー:エリー|本の色:マゼンタ
印象的なセリフ:15巻 LEVEL.283
「待っております、魔界にて…あなたが本の持ち主で本当に良かった…」
剣を持った鎧武者風の魔物、アースです。
本の持ち主であるエリーとは主従関係を結んでおり、エリーに忠誠を誓っています。これは引っ込み思案なエリーを勇気づけるために思い付いたアースの優しさでした。
リオウの呪いを受けたエリーを救うためにガッシュと敵対しますが、後に仲間になります。
清麿に魔界の文字の読み方を教え、ファウードを魔界へ返すために重要な役割を果たしました。
043 カルディオ
登場:9巻 LEVEL.173|属性:強化と思われる(術:ギドルクなど)
パートナー:サウザー|本の色:ブルーウォッシュ
印象的なセリフ:9巻 LEVEL.173
「パルパルモーーン」
北海道でウマゴンと交戦した馬型の魔物です。「パルパルモーン」としか話せませんが、パートナーのサウザーとは言語を超えたコミュニケーションが取れています。
ウマゴンの第3の術習得のキッカケになり、負けを認めて立ち去ります。
ファウード編ではアースペアと行動を共にし、心臓の体内魔物戦で活躍しました。
044 レイン
登場:9巻 LEVEL.178|属性:不明(術:アボロディオなど)
パートナー:カイル|本の色:マラカイトグリーン
印象的なセリフ:10巻 LEVEL.181
「本気の姿ってのは怖えもんなんだ、とくに大切なものを守ろうとする時はよお。」
とても凶悪な見た目をしていますが、心優しい魔物レインは、魔界でのガッシュの親友です。
パートナーであるカイルを守るために、自身の本を燃やしてほしいとガッシュに頼むのでした。
045 ロデュウ
登場:9巻 LEVEL.179|属性:不明(術:ディオガ・ラギュウルなど)
パートナー:チータ|本の色:コーヒーブラウン
印象的なセリフ:14巻 LEVEL.268
「強く…生きろ。」
ファウード編屈指の人気キャラクターです。
清麿の折檻シーンは当時の読者の腹筋を破壊し、チータとの絆は悪役の胸に秘めたカッコ良さとして印象的に描かれました。
作中では最初から最後まで悪役であり、ガッシュたちと共闘する場面はありません。
それでも、悪役として一本筋の通った性格と、最後の最後に全てを持っていったカッコ良さ。これこそがロデュウの最大の魅力だと思います。
10巻から登場する魔物
046 リオウ
登場:10巻 LEVEL.183|属性:不明(術:ファノンなど)
パートナー:バニキス・ギーゴー|本の色:ライムライト
印象的なセリフ:11巻 LEVEL.214
「奴の手足を一つずつ壊した上で消してやらぁ!!!」
ファウードを人間界に呼び寄せた張本人、リオウの登場です。
ライオンのような頭部にケンタウルスのような体をくっつけた特異な姿をしています。
ファウードを使って王になろうと画策し、清麿をひん死の重傷まで追い詰めますが、コントロールルームに乗り込んできたゼオンに倒されました。
047 チェリッシュ
登場:10巻 LEVEL.183|属性:不明(術:コファルなど)
パートナー:ニコル|本の色:シャルトルーズイエロー
印象的なセリフ:12巻 LEVEL.235
「来るのが遅いわよ、テッド。」
テッドいわく「俺の女」チェリッシュです。
ゼオンの「バルギルド・ザケルガ」を受けて苦しむシーンは胸が痛みますが、”目覚めた”読者も多いとかなんとか…。
ガッシュの敵として登場しますが、死を覚悟のうえで立ち上がりガッシュたちの活路を開きます。
ゼオンとの最終決戦にも参戦、囚われたティオやウマゴンたちを救う活躍を見せました。
048 モモン
登場:10巻 LEVEL.184|属性:強化と思われる(術:アムロンなど)
パートナー:エル・シーバス|本の色:珊瑚色
印象的なセリフ:13巻 LEVEL.251
「それまでガッシュは僕が守りきる!!シスター達も全員、僕が守りきるよ!!!」
サルとウサギを足して2で割ったような顔、モモンです。
「エロザル」と呼ばれ、ティオの「チャージル・サイフォドン」習得のキッカケになりました。
ファウード編では最初怯えて非協力的でしたが、後に覚醒。魔物の気配を察知する力を武器にロデュウをあと一歩のところまで追い詰めました。
モモン送還時の「モモン…がんばったな…」はファウード編屈指の名シーン。仁王立ち清麿のカッコ良さといったらないですよ。
049 ホウガン
登場:10巻 LEVEL.188|属性:不明(術:エムル・アクスなど)
パートナー:ミリオン・スーツ|本の色:アーバングレイ
※作中にセリフなし
後々判明することですが、ファウード編では4人の本の使い手に呪いがかけられます。呪いを解く方法は1つ、ファウードの封印を解くことです。
ファウードの封印を解くため、本の使い手を人質とすることで「鍵」を壊す戦力を集めているのでした。アース&エリーペアはファウードの封印を解くことを良しとせず、迎えの者を倒します。
050 ザルチム
登場:10巻 LEVEL.190|属性:操りと思われる(術:ジボウオウ・シードンなど)
パートナー:ラウシン・モー|本の色:シダーグリーン
印象的なセリフ:12巻 LEVEL.230
「オレは、リオウとは友達までじゃなかったと思ってたのによ…」
影を操る術を使う魔物、ザルチムの登場です。
パートナーであるラウシン・モーとは悪役らしい確かな絆で結ばれており、リオウとも一定の友情を築いています。
純粋な悪役であったゾフィスに比べ、ファウード編の敵役はそれぞれ独特の美学や心意気を持っており、ザルチムの人気もそこにあると思います。
051 ブザライ
登場:10巻 LEVEL.190|属性:格闘かはがねと思われる(術:ガズロンなど)
パートナー:カーズ|本の色:グレイプ
※作中にセリフなし
斧を操る大柄な魔物、ブザライです。キースとのコンビで登場しガッシュたちを苦しめますが、相棒のキースが強烈な個性を持つため影は薄めです。
052 キース
登場:10巻 LEVEL.190|属性:光と思われる(術:ギニスなど)
パートナー:ベルン|本の色:ハニースィート
印象的なセリフ:10巻 LEVEL.191
「ウェーーーンヘン、ヒョーーンフェン、ヒョンロンペンチョン、フェンチョンペンチャン、
ピョ~~~~~ロフッ!
ウェーーディンロンフォン、
パンチョンペンチャン
ポイノイロンロンピーペプ!
ヴィーディルボーディル
ヘェンディンフォンデン、
フォーデルマイデンロンベルデン!
ハーマイロンガン
ビャービューローホー、
マーデルフォンデン、
ウィーーーベロー!!」
ファウード編のビクトリーム枠。
葉巻を咥えた高潔そうな見た目から想像もつかないおバカで、初登場時の「第九」は当時の読者の腹筋をかき鳴らしました。
ギャグキャラながら、バリーのライバルを自称する実力は本物で、キャンチョメを絶体絶命にまで追い詰め「ディマ・ブルク」発現のキッカケになりました。
053 リーヤ
登場:10巻 LEVEL.197|属性:強化と思われる(術:ガルバニオなど)
パートナー:アリシエ|本の色:パラキートグリーン
印象的なセリフ:12巻 LEVEL.229
「僕は大好きなんだ!!!強くて、楽しくて、優しい…ずっと村の人を守ってきたアリシエが!!!」
ファウード編の味方側キーパーソンであるアリシエと、その魔物リーヤです。
相手を気に入ると角でつっつくという習性があり、戦士であるアリシエを深く尊敬しています。
ファウード編で登場しファウード編で退場しますが、ガッシュが王として目覚めるため重要な役どころを演じました。人気の高いペアです。
11巻から登場する魔物
054 ファンゴ
登場:11巻 LEVEL.208|属性:炎と思われる(術:アルセム・ガデュウドンなど)
パートナー:アドラー|本の色:ゼラニウム
印象的なセリフ:12巻 LEVEL.226
「ホウ、そこそこ炎を操れるか?」
作中で唯一、純粋な炎属性の術を使用する魔物です。容姿は炎属性のガッシュと言った感じで、少年サンデーコミックス版1巻のデザイン案に似たものが掲載されています。
ファウードの力を使って王を目指す野心家でしたが、ゴデュファの契約をしたことで性格が豹変。味方を平気で攻撃する残虐な兵士に変わってしまいました。
「アルセム・ガデュウドン」って声に出して読みたいですよね。
055 ジェデュン
登場:11巻 LEVEL.208|属性:不明(術:グノビオンなど)
パートナー:エスカルロ・ルン|本の色:ライラックグレー
印象的なセリフ:13巻 LEVEL.255
「だって…ファウードの力もらう時、「ゴデュファ」って言ったじゃん。」
「ヤンコヤンコー!」しか話せないと思われがち(ルンにもそう思われていた)ですが、話せます。
悪役として登場し、清麿覚醒後の「バオウ・クロウ・ディスグルグ」によって一撃で送還されました。パートナーとは仲が良かったようで、最終話で手紙を読むルンが登場しています。
056 ギャロン
登場:11巻 LEVEL.208|属性:格闘と思われる(術:エマリオン・バスカードなど)
パートナー:ハリー・ジェット|本の色:チャコールグレイ
印象的なセリフ:12巻 LEVEL.233
「どーやら…ゼオンの雷を思い出させる必要があるみてえだな…」
確かにファウード編に登場していて、テッドとチェリッシュの絆を再確認する重要な敵なんですけどあまりにもかませっぽくてですね…印象的なセリフを抜き出すのが大変でした。
テッドの最大術「ドラグノン・ディオナグル」で倒されましたが、本が燃えるシーンは描かれてないような気がします。見間違いか?
12巻から登場する魔物
057 エルザドル
登場:12巻 LEVEL.239|属性:強化と思われる(術:ディガル・クロウなど)
パートナー:アビーラ・サビーラ|本の色:ティールグリーン
印象的なセリフ:12巻 LEVEL.240
「よく…やったじゃねえか…」
竜族の神童エルザドルはバリーを徹底的に追い詰めました。
バリーが初めて死の恐怖を感じたこの魔物は、バリーが大きく変わるためのキッカケとして活躍しました。
出番は少ないですが、バリーの非常識なまでの強さを表す魔物です。
最終話ではアシュロンとビールをガブ飲みし、ガッシュカフェではバリーとの友情を深めるシーンが描かれました。
13巻から登場する魔物
058 カルディオが倒した魔物A
登場:13巻 LEVEL.234|属性:不明(術:作中使用なし)
パートナー:不明|本の色:不明
※作中にセリフなし
サウザーいわく卑怯で外道なコンビ魔物たち。
059 カルディオが倒した魔物B
登場:13巻 LEVEL.234|属性:不明(術:作中使用なし)
パートナー:不明|本の色:不明
※作中にセリフなし
サウザーいわく卑怯で外道なコンビ魔物たち。
14巻から登場する魔物
060 アシュロン
登場:14巻 LEVEL.278|属性:強化と思われる(術:テオブロアなど)
パートナー:リーン・ヴィズ|本の色:ヒヒ色
印象的なセリフ:15巻 LEVEL.291
「こっちの手は、もう動かねえな…」
エルザドルと対をなす竜族の神童であり、クリア編のキーパーソンです。アシュロンが高嶺家にやってきたところから、クリア編は始まります。
作中でも随一の強さをもう強者の中の強者。登場から退場までは速かったものの、覚醒前のクリアをあと一歩まで追い詰める強さを誇ります。
また、アシュロンの登場により術の最高位ランクが「シン・~」であることが判明しました。
061 ローゲ・バイパー
登場:14巻 LEVEL.279|属性:不明(術:作中使用なし)
パートナー:不明|本の色:ゴールデンコーン
※作中にセリフなし
フランスでブラゴが倒した魔物です。
彼が送還されたことで、残りの魔物は10体になり、戦いはクライマックスへと進んでいきます。
番外
📌14巻 LEVEL.279、ブラゴが上記の魔物を倒した時点で、残りの魔物は10体になりました。
10体の内訳は、
- ガッシュ・ベル
- ブラゴ
- キャンチョメ
- ティオ
- ウマゴン
- アース
- パピプリオ
- アシュロン
- ゴーム
- クリア・ノート
以上の10名です。
062 ゴーム
登場:14巻 LEVEL.280|属性:不明(術:ディオボロスなど)
パートナー:ミール|本の色:エボニー
印象的なセリフ:15巻 LEVEL.303
「ゴーーーッ、ゴッ、ゴッ、ゴーーーーーッ!!!」
クリアの部下として登場するゴームは、空間に穴をあけて長距離を移動する能力を持ちます。
術の発動によらずゴームがもともと持っている力であり、この能力を使用して奇襲を仕掛けてきました。
作中ではクリアの口から天涯孤独であることが語られ、キャンチョメやパピプリオとの友情に目覚めたことで、クリアに反旗を翻しました。
063 アースが倒した魔物A
登場:14巻 LEVEL.282|属性:不明(術:ガルク)
パートナー:不明|本の色:不明
※作中にセリフなし
アースがエリーと組んで初めて倒した魔物です。ここからアース第1の術が「ソルド」であることがわかります。
15巻から登場する魔物
064 クリア・ノート
登場:15巻 LEVEL.284|属性:消滅と思われる(術:スプリフォなど)
パートナー:ヴィノー|本の色:透明
印象的なセリフ:16巻 LEVEL.313
「出していいぞ、ヴィノー。「シン・クリア」だ。」
金色のガッシュ!!におけるラスボスであり、作中で最後に登場した魔物の子です。
自らを「核兵器と同じ」と称し、魔物を滅ぼすために生まれてきたと語ります。
能力は作中最強。アシュロン、キャンチョメ、パピプリオ、ティオ、ウマゴンを次々と退け、ガッシュとブラゴを絶体絶命まで追い詰めます。
金色のガッシュ!!における呪文はどれもカッコ良く声に出して読みたいのですが、クリアの「スプリフォ」は数多くある呪文の中でも別格のカッコ良さだと思います。
まとめ
これをもって、金色のガッシュ全323話に登場する「王の座をかけて戦った100人の魔物の子供たち」の調査を終わります。
結果は64体の魔物に実際の戦闘描写があり、戦いの参加者であることが裏付けられました。
アニメオリジナルを入れても100体未満ですから、描かれていない戦闘を含めても100体という設定は守られているといえそうです。
また、このためにもう一度金色のガッシュ!!を読み返しました。
何度読んでも同じ場所で泣いてしまいます。青春に刻まれた金色の遺伝子は、何年経とうと色あせることはありません。
私は今後も金色のガッシュ!!を超える漫画は生まれないと思っています。もし超えるとしたら、それはきっと金色のガッシュ!!2だけだとすら思っています。
物語を彩り、私たちを感動させ、笑わせ、時に泣かせ、感情を揺さぶり続けてきた64体の魔物の子供たち。
これからの千年が、彼らにとって素晴らしい千年になることを祈ります。