こんにちは、スーパー四心です。
旧作未登場のジルノーズ、何やらワケありのカフィーとエレビーなど急展開が続くガッシュ2ですが、もっと注目すべき点があります。
感想記事でも書きましたが、Page.33では「本来の力」を『合力』なしで発揮するための装置が登場しました。この装置を使うことで、『合力』には及ばないもののある程度の力を発揮することができます。
今回はこの「本来の力」について考察します。

新たに明かされた設定の整理
Page.33で新たに明かされた設定について、アルヴィン似のカードが詳細に語っています。
我々が持つ本来の力
それを術との合力なしでなんとか手に入れられないかと考え…
魔女が面白いものを作ってくれた中略
もちろん合力をした時の完璧な力にはおよばないが
その出来にワシはかなり満足している(アルヴィン似のカード/Page.33 21P)
このセリフから、Page.33になって初めて登場した設定がいくつか垣間見えます。
- 「我々が持つ本来の力」というものがある
- 『合力』することで「我々が持つ本来の力」を発揮できる
- 『合力』せずに「我々が持つ本来の力」を引き出すため、魔女が「面白いもの」を作った
- この「面白いもの」を使って引き出した力は、『合力』したときの完璧な力には及ばない
魔女が作った「面白いもの」は、術のビンと「球」をホースで繋ぎ、ビンの力を「球」で増幅し、パイプを通して上半身に送る装置と考えられます。
ホースは上半身を伝うように伸びており、見た目は大リーグボール養成ギプスに似ています。漫画のコマは貼れないので、私が苦労して作った画像で仕組みを解説します。

本来であれば『合力』によって「本来の力」を発揮するはずです。しかし、『合力』には時間制限や力に捧げる肉体などのリスクがあります。そのため、魔女が代替手段を開発したのでしょう。そして、この研究はPage.15で言及されており、この時点で既に実用化されていたことがわかります。
それよりさ!さすが魔女じゃん!ずっと研究してたこと上手くいったよね(ポーラ王子/Page.15 34P)
魔物の術をポーラ王子の本当の力に変えることですかね?(魔女/Page.15 34P)
「本来の力」とは何か
カードの語る「本来の力」とは何でしょうか。そもそも、『合力』によって解放された力が「本来の力」という設定が、Page.33まで出てきていません。
私はこれまで、『合力』は術の力と合体することでパワーアップする術だと思っていました。ドーピングのようなものであり、『ギルガドム・バルスルク』のような禁呪に近いイメージを持っていました。
潜在能力説
仮に本来の力を「潜在能力」だと解釈すると、カードはまだ隠し玉を持っており、『合力』や装置によって真の力を解放し、強大な戦闘力を発揮することが想像できます。
旧作において、魔物が新しい術を覚える条件は「自覚」や「決意」であることがわかっています。
魔物の子が本来もつ、”眠っている力”…
それが目覚めたとき、本に呪文として現れるだけ!(清麿/5巻 LEVEL.96 315P)おまえの中には無限の可能性が眠っている。
おまえ自身が、その可能性を信じてやるんだ。(清麿/5巻 LEVEL.96 317P)
これは、魔物の中の内なる何か(=眠っている力)が目覚めた時、本に呪文が現れるということです。こういうのを潜在能力と言います。
反論
カードはビンのおかげで魔物の術を使うことはできますが、カードが魔物の術を持っているわけではありません。『合力』やギルが披露した呪文の数々は“魔物の術とは別系統の何か”であり、魔導士のみが操れる「魔法」と表現するほかありません。
かみ砕いて言うなら、カードの潜在能力と魔物の術は関係ないということです。つまり、「本来の力」を潜在能力と解釈したとき、その発揮に術のビン(=魔物の術)が必要な理由が見えてこないのです。
日本語の解釈の話をしますけど、「本来」とは「もともとそうであること」という意味です。だったら、縁もゆかりもない術のビンから力を借りたら「本来」じゃなくない?と私は言いたいのです。
なぜ魔物でもなく術も持たない彼らが、自らの内にある潜在能力のために“「魔物の術」を使わなければならない”のでしょうか。元人間の存在まで含まれる彼らに、なぜ魔物の術が必要なのでしょうか。
このあたり深堀するとベリエルの目的が見えてきそうですが、今回はあくまで日本語としての話をします。
長々書きましたけど、「本来の力」なのに敵である魔物の力を借り、しかもビンという外部デバイスが必要なんてまっっっったく本来じゃなくない!!?!?!?!?!と、私は思えてならないのです。
元々持っている力を解放するのに、なぜ魔物の術が必要なの?意味わからん…というのが、私がPage.33を読んで一番感じたことです。

隠された凶暴性説
潜在能力は元々持っている力ですから、訓練によって発揮することが悪いとは思えません。ガッシュが『ラウザルク』を習得したときもそんなシーンはありませんでした。
しかし、「本来の力」が、自身が隠し持っている凶暴性や悪意といった意味だとしたら、どうなるでしょうか。リオウ戦で清麿を殺された(生き返りましたが)ガッシュは、自身の憎しみと怒りを目覚めさせました。
憎い…倒せ…破壊しろ…怒れ!!
怒りを爆発させろ!!あの時の憎しみだ!!人間が死んだ時…
清麿が殺された憎しみと怒りで、我は目覚めた!!!(バオウ/14巻 LEVEL.270 158P)
清麿が殺された直後、ガッシュは憎しみに囚われ、肉体と目が変色、力も数倍になってリオウに掴みかかります。(11巻 LEVEL.215)これはガッシュの中に眠る「修羅」の部分が発現したシーンで、身体能力の向上と新呪文を得ました。
「本来の力」とは、これと同じ「内なる凶暴性」や「悪意」であり、それを目覚めさせることで戦闘能力が増すのだ、と考えることもできます。
反論
「本来の力」が悪意や凶暴性だとすると、それらを隠し持っているキャラクターは表面上”善”でなければいけません。善なる仮面の内に凶暴性を隠していなければ、二面性や「本来の(元々持っている)」の意味が通らないからです。
登場するカードに”善”と呼べるキャラクターはいません。内面はさておき、描写されている行動や言動は”悪”のそれであり、善性が垣間見えるキャラクターは今のところ出ていません。
エレビーは自身の行いを後悔してはいますが、望みのためにベリエルに手を貸しており、その行動原理は(魔物側から見れば)”悪”です。
つまり、カードはそもそも凶暴で悪意を表出して行動しており、秘めたる凶暴性は存在しないと考えることもできてしまいます。

ドーピング説
色々考えた結果、一番あり得るのがこれかな…と思っています。
「本来の力」を「肉体や精神の限界を超えて発揮する力」と解釈し、『合力』や装置によって無理矢理引き出すと考えると、作中描写との矛盾が一番少なくなります。
つまり、ドーピングです。
存在はするけれど通常の方法では発揮できない「力」が「本来の力」であり、それを無理やり引き出す方法が『合力』や「装置」ということです。
『合力』によって引き出す場合は、100%の効果を発揮できますが、「力に捧げる肉体」が必要であり、体にも大きな負担をかけます。時間制限もあり、一発限りのリーサルウェポンです。
レビー
「力」に捧げる肉体は オレが身代わりとなる(鼻毛ブー/Page.11 27P)
一方「装置」の場合は100%の出力はないものの、今のところ目立ったリスクは描かれていません。寿命が縮むとか、肉体な大きな負荷をかけるということもなさそうです。
反論
禁呪で良くね?
カードが禁呪も扱えることは、リーザとジリオンが証明しています(Page.18 22P)。『合力』も「装置」も術のビンから力を借りているので、そんな回りくどいことをしなくても、術を使えば良くない?と思ってしまいます。
フォローするなら、ビンの術は威力が低い設定があるため、禁呪では「本来の力」を発揮できないと考えることもできます。

結論
「本来の力」とは、通常の方法では発揮されない、肉体や精神の限界を超えた「力」である。その力を手に入れるために一番良い方法は『合力』だが、時間制限や力に捧げる肉体などのリスクがあり、負荷も大きい。
「装置」であれば肉体を捧げる必要も時間制限もなく、安全に「力」を行使できるが、出力は『合力』に劣る。
どちらも術のビンを利用して力を増幅しており、術の属性が戦闘能力に大きな影響を与える。ギルのセリフから、どのビンを使用するか?はある程度自由に選べると思われる。
さぁワイグ 覚悟を決めろ
どれがいい?(ギル/Page.6 8P)
🧠まとめ
- Page.33で初めて「本来の力」と「装置」という設定が明らかになった
- 潜在能力説:過去作の「自覚・決意による新呪文発現」と整合性があるが、ビン必須なのが不自然
- 凶暴性説:二面性が成立しないため、カードには当てはまりにくい
- ドーピング説:肉体や精神の限界を越える「無理やりの力」と考えると矛盾が少なく描写とも整合する
- 『合力』=100%の力を引き出すが、肉体の代償や時間制限といったリスクがある
- 「装置」=リスクは少なく安全だが、出力は『合力』に劣る
- どちらも術のビンを媒介にしており、どのビンを使うかが戦闘能力を大きく左右する
🔍次回考察への導入
Page.33で登場した装置を元に、「本来の力」というセリフから広げて考察してみました。こうやって真剣に考察しても、戦闘描写一つでひっくり返る可能性があるのがガッシュ2です。
たとえば、この装置は量産されているのか?今までに登場したカードが、この装置を引っ提げて再登場する可能性があるのか?という疑問がまず浮かびます。
究極的には、この装置は魔物も使うことができるのか?という疑問を持つのは、とても自然な気がしています。
🧠 他の考察も気になる方へ
『金色のガッシュ!!2』に関する考察記事をテーマ別にまとめました。

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