こんにちは、スーパー四心です。
以前、ファーンについてこんな記事を書きました。

ネット上で私が見つけた説を否定していくという、大変性格の悪い記事です。主に見つかる説は次の4つです。
- デュフォーの子供説
- サンビームとシスターの子供説
- ウォンレイ・リィエンの子供説
- 王を決める戦いの参加者説
これらの説の中で特に多いのが「デュフォーの子供説」ですが、時系列上それはあり得ないと私は考察しています。さらに、根拠が「容姿が似ている」しかないのもこの説の弱いところです。…という記事でした。
今回はもう少し掘り下げて、旧作の描写なども絡めてファーンの正体を検証していきましょう。
それではスタートです。

デュフォーの出身地
まず、デュフォーの出身地の調査から始めます。
公式から明かされていませんが、以下の点から「オランダ説」が有力となっています。
- アポロとロップスがオランダで出会っている(4巻 LEVEL.76 289P)
- デュフォーの自宅らしき場所に「ヨーロッパ」の表記(9巻 LEVEL.167 152P)
- ゼオンが風車小屋の上で記憶を探っている描写(9巻 LEVEL.176 317P)
- 完全版14巻裏表紙でデュフォーとゼオンが自転車に乗っている(オランダは人口より自転車のほうが多いと言われている)
以上から、デュフォーオランダ出身説はかなり有力となっています。
デュフォーという名前について
まず、ガッシュ作中における「デュフォー」は間違いなくファーストネームの意味で使われています。山田太郎の太郎部分ということです。
しかし、現実世界における「Dufour」はフランス語圏のファミリーネーム(山田部分)に多く、ファーストネームに使われることはほとんどありません。
そして、出身地とされるオランダはオランダ語圏であり、言語が異なります。オランダにデュフォーさんは多くありません。
「ヨーロッパ風で男性っぽい名前」として採用された可能性が高いので、整合性を求めるのは野暮かもしれませんが、名前だけならオランダ説は弱いことになります。
ひとまず、「デュフォーはヨーロッパ圏出身である」と逃げておきます。個人的にはフランス人のような気がしています。なんかこう…フランス語っぽくないですか。Dufourって。

ファーンの出身地
ファーンが登場したのはアメリカでした。これだけでアメリカ出身と判断するのは早計ですが、「ファーン」は英語圏に多い女性名なので、矛盾はしません。
私はいらなかったようね 帰るわ(ファーン/Page.25 11P)
このセリフから受ける印象は、「簡単に行き来できる場所に帰る」ように思えます。子供一人で行き来できるくらい近所から来ているということです。
状況描写から、アメリカ出身が一番説得力があります。
なぜ清麿はデュフォーの話を持ち出さないのか
仮にファーンがデュフォーの子供であるなら、清麿がデュフォーの話を持ち出さないのがとても不自然です。
やっぱりだ!!大きくなったなぁ わからなかったよ!!(清麿/Page.25 12P)
このセリフの後に、「デュフォーは一緒じゃないのか?」と続けるのが自然ですし、親子であるなら出して当然の話題です。子供が一人で出歩いていたら、普通親の存在を探すでしょう。
デュフォーはクリア戦後に旅に出ており(16巻 LEVEL.320 307P)、それ以来登場していません。旅先で出会った女性と…という可能性はもちろんありますが、キャラクターの性格上しっくりきません。

結局ファーンは何をしに来たのか
“答えを出す者”アンサートーカー説
わざわざナゾナゾ博士が集めていることから、知識か技術を頼って呼び出されたはずです。
たとえば、先天的なアンサートーカーの能力を持ち、この戦いを有利に進める「答え」を出すのかもしれません。
しかし、アンサートーカーにはデュフォーと清麿という二大高身長ハイスペックイケメンがおり、仮にファーンがアンサートーカーを持っており、戦いに加わろうとすると、以下の要素が必要になります。
- デュフォーと連絡がつかない
(旅に出ており消息不明だとすれば矛盾はしない) - 清麿がアンサートーカーを失っている
(引き出せないのではなく、完全に失われた)
最大の問題は、「なぜPage.25の時点で答えを出してもらわなかったのか?」という、重大かつ当然の疑問を解決できないことです。
かつての本の持ち主説
あの場に集められた6人は、全員本の持ち主である可能性が高く、一人だけ部外者ということは考えにくいです。
- ルーパー
- ジード
- アポロ
この3人は確定しています。残りの長髪、サングラスは誰か特定できませんが、おそらく本の持ち主です。
しかし、ファーンが本の持ち主だとすると、決定的に合わないものが存在します。
年代です。
ガッシュが王になってから12~13年が経過しています。ガッシュの19才になったというセリフ(Page.7)と、ナゾナゾ博士が80歳という清麿のセリフ、(Page.20)から確定しています。
ファーンはそれこそ13歳くらいに見えますので、前回の王を決める戦いのときには赤子か、生まれていない可能性があります。仮に生まれていても発語ができない(呪文を唱えられない)でしょう。

かつての本の持ち主の親族説
ここで、全ての問題を解決するかもしれない、私の見解です。
本の持ち主が死亡すると、どうなるのでしょうか。作中で死亡例は出ていませんが、清麿は自身の死を覚悟したとき、こう言っています。
オレがここで死んでも
ガッシュには新しいパートナーがきっと現れるはず…(清麿/11巻 LEVEL.214 255P)
では、本の持ち主が死亡したとき、本を引き継ぐ可能性が一番高いのは誰でしょうか。パティがとても明快な解説をしています。
千年前の持ち主はすでに死んでても、その子孫は残っているわ。
(中略)
でも、ほとんどの人は本を読むことさえできなかった。
実際に術を出せた人間は皆無だったわ。(パティ/6巻 LEVEL.106 130~131P)
「ほとんどの人は本を読むことさえできなかった」と言っていますので、何人かは読めたということです。
しかし、術を出せた人は「皆無」だそうです。皆無とは「全くない」ことを意味しますので、矛盾します。
もし、「ほとんどの人は本を読めず術を出せなかったが、何人かは本が読めて術を出せた」という意味で、数少ないことを強調するための「皆無」なら、整合性は取れます。
ガッシュが王になって13年。かつての本の持ち主の中には、亡くなっている人もいるかもしれません。その時、本を引き継ぐ可能性が一番高いのは、パティの言う通り子孫でしょう。

なぜ「私はいらなかった」のか
さて、わざわざ呼び出されたにもかかわらず、いらなかったので帰ったファーン。なぜいらなかったのでしょうか。
おそらく、必要なものが揃っていなかったのでしょう。
魔物が復活する際に必要なものは、下記の5つです。
- 白い魔本
- ミイラ
- 魔物の魂
- 術のビン
- パートナー
あの場には、パートナー以外のものはありませんでした。魔物と本が復活しなければ、本の持ち主はただの人です。
白い魔本が飛んできていないということは、まだ魔物が復活するタイミングではないということです。アポロすら本を貰えていないので、本がタイミングや魔物を意図的に選択していることは明らかです。(或いは、雷句誠が)
だからいらなかったというわけです。そして近所から来ているので、気楽に行ったり来たりできるということです。これで作中描写と矛盾なく、ファーンが呼ばれた目的と帰った理由を説明することができました。
結論
以上が、私の考えるファーンの正体です。
作中描写を丁寧に拾いながら、できるだけ矛盾がなく説得力のあるように積み上げました。
ファーンはPage.25の1回こっきりしか登場しておらず、セリフも画像のものしかありません。キャラクターとして圧倒的に描写が不足しています。
ガッシュ2は忘れられているのでは?と思えてしまうキャラクターが多く、再登場が望まれています。(キャンチョメ…)ファーンの再登場もまだ先になりそうですが、気長に待ちましょう。
ファーンの登場したエピソードはコチラ
🧠 まとめ
- デュフォーの子供説は時系列・描写から矛盾が多い
- デュフォー出身地はオランダ説が有力だが、名前の響きはフランスっぽい
- ファーンの登場地・発言からアメリカ出身が最も自然
- アンサートーカー説やかつての本の持ち主説には矛盾点がある
- 最も整合性が取れるのは「亡くなった本の持ち主の親族」説
- ファーンが「いらなかった」と帰った理由は、復活に必要な条件が揃っていなかったから
- 現状は描写不足で再登場が待たれるキャラクター
🔍 次回考察への導入
今回の検証で「親族説」が最も妥当と整理しましたが、まだ語られていない要素も多く残っています。特に「本の継承」が今後どう描かれるのかは、ガッシュ2全体のテーマにも関わる重要な鍵になりそうです。次回は、この「継承」という視点からさらに掘り下げて考えてみましょう。
🧠 他の考察も気になる方へ
『金色のガッシュ!!2』に関する考察記事をテーマ別にまとめました。

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