『金色のガッシュ!! 特装版』6巻 感想・あらすじ|石板編本格スタートと華麗なるビクトリーム様

📘 ▶ 『金色のガッシュ!! 特装版 6巻』をAmazonでチェックする

目次

この巻について

特装版6巻は、LEVEL.100〜LEVEL.119を収録。
パティやロードの登場を皮切りに、石板編が本格的に始動します。日常と戦闘が交差する中、ティオと恵の再登場、キャンチョメの奮闘、そして華麗なるビクトリーム様の降臨まで、怒涛の展開が続きます。
ギャグとシリアス、感動と狂気が一冊の中で共存する、シリーズ屈指の“振れ幅”の大きい巻です。

印象に残ったエピソード(演出補強+ですます調)

LEVEL.100〜LEVEL.103|恋する魔物・パティの暴走と強さ

ガッシュに恋する魔物・パティが初登場します。魔界時代に想いを寄せていたガッシュから忘れられていたショックで怒りを爆発させる、感情の起伏が激しい少女です。

ギャグ調で始まるものの、プールでの戦闘では電撃をアク・スプレイドで反射されるなど、緊張感のある攻防が描かれます。アシルドからのコンボ演出が鮮やかで、全身に電撃を浴びながらも本が燃えないのは、まさに奇跡的でした。

術の数も多く、最大術「スオウ・ギアクル」もインパクト抜群。「スオウ・アクルガ」となりそうなところを語感的に引き締めたネーミングで、演出上のこだわりも感じられます。

LEVEL.103〜LEVEL.104|ロードと石板の謎、バランシャの再登場

ロードという仮面の魔物が登場し、物語はいよいよ石板編へと突入します。ロードがパティに石板を見せるシーン(LEVEL.103・73〜74P)は、構図もセリフの間も印象的で、読み手に不穏な空気を突きつけてきます。背景に描かれた石板の数も37枚と、さりげない情報の提示が演出に生きています。

一方、タイではバランシャが再登場。以前の戦いで手強かったバランシャが千年前の魔物たちにあっけなく敗れることで、“次元の違う強さ”が視覚的に伝わります。読者の記憶を使った演出が巧みです。

LEVEL.105〜LEVEL.107|追い詰められるガッシュたちと、ティオ&恵の登場

公園で遊ぶガッシュと清麿の“電車ごっこ”シーンは、ナナメ構図や叫び声のフォント演出で疾走感と可愛らしさが絶妙に描かれています。そこからの襲撃シーンへのギャップ転調が見事で、平和と恐怖の対比が際立ちます。

術を使えない絶体絶命のピンチの中、現れるのがティオと恵。セウシルのカットインの入り方、ページの流れ、構図の迫力など、“ヒロイン登場”として文句のない演出で読者を惹きつけます。

LEVEL.108〜LEVEL.109|癒しの力と防御術のかっこよさ、ゾフィスの再登場

サイフォジオは怪我と心の傷を回復重要な術で、以降も重宝されます。このシーン、ガッシュは「恵!!」と呼びかけていますが、後のガッシュ2では「恵どの」になっているのは彼の成長でしょうか。

特に印象的なのがマ・セシルドの描写です。防御術にもかかわらず、構図やポージングなどがとてもスタイリッシュで、かっこよさ重視の演出が際立っています。

その後、アフリカでゾフィスが再登場。「さぁ…楽しみながら…王になろうではないか」というセリフは、彼の“他力本願の王道”を端的に示す名シーンです。

LEVEL.110〜LEVEL.116|キャンチョメの奮闘と、アルム&ガンツのドラマ

キャンチョメとフォルゴレの再会は1ページぶち抜きの構図で、感情とギャグが一気に爆発します。そこから清麿の作戦に従い、自らの力で戦果を上げていく流れが心を打ちます。

アルムとの戦いではガッシュが相手を「かわいそう」と評し、魔物に対しても攻撃せずに“本だけを奪う”という判断をします。この戦い方を選んだことが後のセリフや展開に重なり、演出上のテーマにもなっています。

マ・セシルドと敵の最大術のぶつかり合いも大迫力で、特にLEVEL.115・297Pの恵が敵の本を奪う瞬間のコマは、細かい描写が緊張感と爽快感を生み出しています。

LEVEL.117〜LEVEL.119|華麗なるビクトリーム様の大暴れ

華麗なるビクトリーム様の登場は、完全に空気が変わります。「我が体はVの体勢で待機せよ!!!」や「ブルアァアアア!!!」といったセリフは、文字そのものが演出として機能しており、読者の視線を強く惹きつけます。

ギャグとして描かれていても、ちゃんと強い。ギャグとバトルの絶妙なバランスは「笑えるが強い」という清麿の評がそのまま的を射ています。

華麗なるビクトリーム様の余韻が残る中、レイラやダルモス、謎の伏線なども描かれますが、あらゆる要素を吸い込んで霞ませてしまう演出のインパクトが、このキャラの強烈さを物語っています。

登場キャラクターと見どころ

  • パティ&ウルル:ギャグと本気の中間にいる女の子。術の多さと精神的な強さに注目。
  • ロード(ゾフィス):石板を操り暗躍する仮面の魔物。黒幕感のある言動が印象的。
  • ティオ&恵:ヒロインとしての魅力が爆発。恵の本の持ち方と演出も必見。
  • キャンチョメ&フォルゴレ:ギャグからシリアスへの緩急が美しい。友情と勇気の象徴。
  • アルム&ゲリュオス&ガンツ:石板の魔物として登場。悲哀と因果を背負った敵キャラたち。
  • 華麗なるビクトリーム様:圧倒的キャラ力。全シーンが名場面。私の少ない語彙では魅力を語りつくせない。

読み返して感じたこと

この巻は「過去の呪縛」と「王としての優しさ」の対比が強く描かれています。
封印され、戦いに囚われた千年前の魔物たち。彼らを倒すのではなく“解放する”というガッシュの戦い方には、やさしい王様としての覚悟がにじみ出ています。

また、ヒロインであるティオと恵のカッコよさも今巻の大きな魅力。マ・セシルドをはじめとした術の演出や、本の持ち方ひとつとっても、その描写は高いヒロイン力を表現しています。正ヒロインにしてその座を最後まで守り切った二人ですが、この頃から本の持ち方が一貫しているのは、キャラクター描写の深みを感じます。

そして、華麗なるビクトリーム様の登場は、狂気と笑いが完全に融合した怪物的存在として、物語を唯一無二のものにしています。伏線・成長・笑い、あらゆる要素が濃縮された1冊でした。

🧠まとめ

  • パティ登場回でギャグとバトルが融合、強敵としても存在感を放つ
  • ロード登場で石板編が本格始動、暗躍と陰謀の輪郭が浮かぶ
  • 清麿&ガッシュの危機にティオ&恵が参戦、ヒロインの強さが輝く
  • デボロ遺跡でキャンチョメが再び活躍、“戦わない強さ”の描写も印象的
  • アルムとの戦いでガッシュの“解放”としての戦い方が際立つ
  • そして圧巻の華麗なるビクトリーム様登場、“笑えるが強い”を体現

📘 ▶ 『金色のガッシュ!! 特装版 6巻』をAmazonでチェックする

7巻の感想はこちら

感想まとめはこちら

記事が参考になったと思っていただけたら、
下のバナーからブログ村で応援いただけると嬉しいです。

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ
にほんブログ村
  • URLをコピーしました!
目次