『金色のガッシュ!!2』では、用語や仕組みに一部変更が見られます。
本記事では、その中でも「魔本」と「本」の使い分け、および「本が燃えたときに何が起こるのか」という点について、旧作との比較を交えて詳しく考察します。
こんにちは、スーパー四心です。
『金色のガッシュ!!』に登場する設定や用語は、かなり厳密に使い分けられており、言葉の解釈によって意味が変わることがないようになっています。
そして、その設定の緻密さは『金色のガッシュ!!2』でも守られており、いくつかの用語は記事にしました。

例えば、こちらの記事では『術』と『呪文』の使い分けから、魔物とカードの術の違いについて考察を行い、二つが異なることを説明しました。
また、この記事では『命』と『魂』の対比から、魔物とカードの生命がどこからやってきたか、それらはどのように蘇生され物語に登場しているのか?を考察しました。

『本を開き、呪文を唱え、術が出る』という基本は守られているものの、いくつかの用語・設定で旧作との違いがありますので、今回はそちらを考察していきます。
本の機能と転送装置については下記記事て解説しています。

本の呼称
ガッシュ2で清麿が「魔本」と呼びましたが、私が続編を読んで一番最初に疑問に思ったのがこれです。
『金色のガッシュ!!』における”本”
旧作全323話中、一貫して「本」または「赤い本」と呼ばれています。「魔本」と呼称されたことは一度もありません。
また、本の色はキャラクター付けとして重要な要素ですが、色に言及するシーンはとても少ないのも特徴です。白黒の漫画でセリフにしても仕方ないという判断かもしれません。
本…
親父が解読できなかった”赤い本”…(1巻 LEVEL.1 17P)
色について明確に言及されたのはレイコムのみです。
あの…青い…本…(1巻 LEVEL.5 105P)
関連商品における”魔本”
一方で、関連商品では「魔本」と呼称されています。
例えば、『金色のガッシュベル!! THE CARD BATTLE』で使用するファイルは一貫して『魔本ファイル』です。
金色のガッシュベル THE CARD BATTLE 公式サイト(2008年8月1日アーカイブ)より引用
https://web.archive.org/web/20080801033036/http://www.carddas.com/gashbell/product/mahon.html
また、2003年に発売された玩具には『DX 赤い魔本』という名称が使われており、2022年の『PROPLICA 赤い魔本』でも同様の呼称が採用されています。これらの商品群では、作品本編とは異なり、一貫して『魔本』と表記されているのが特徴です。
これらの商品はいずれも『金色のガッシュベル!!』名義で展開されており、アニメ版をベースとしたメディアミックスであることがわかります。したがって、「魔本」という呼称は主にアニメ版に由来するものと考えられます。
『金色のガッシュ!!2』における”魔本”
しかし続編『金色のガッシュ!!2』では、「魔本」と「本」がいずれも用いられており、呼称は明確に統一されていません。
重要な使い分けとも思えず、単なる表記揺れか、口語的なあやふやさを演出しているだけのようにも見えます。清麿のセリフですら統一されていないので、深い意味はないと思われます。
ゼリィは魔本を持ってきたか?(Page.3 27P)
本も見ないでこの術を唱えていた(Page.26 14P)
今のところ「魔本」と発言したのは清麿のみです。この差異が物語上どれほど重要かは不明ですが、後々マウントするためにいったん記録しておきます。
さ!本はどこかな?キャンチョメ(Page.9 15P)
本が浮かんでいてね
その本をつかんだらココにいたわ(Page.15 15P)
「魔本」と「本」の意味は同じ
作中で「本」と呼ばれようと「魔本」と呼ばれようと、指している対象は明らかに同一です。
このことから、「本」は単なる一般的な本(a book)ではなく、「呪文が書かれた本」という特定の存在(the book)として機能していると考えられます。
そして、魔本の「魔」の部分は、どう考えても「魔界の魔」か「魔物の魔」です。
魔界で生まれた本、魔物の持つ本、文脈はどちらでも大差なく、人間にとって異質なものであることが表現できれば、それで良いと思われます。
いったんまとめます。
- 「魔本」と「本」に明確な使い分けルールは見られない
- 「魔本」と呼称したのは清麿のみだが、清麿自身も「本」と呼んでいる
- 呼称が異なっていても、いずれも同じ物(呪文の書かれた本)を指している
- 口語的な揺れ、言葉のあやを表現する以上の意味は見いだせない
- 「魔本」も「本」も同じ意味、同じ物である

本が燃えるとどうなるのか
旧作では「本が燃えると魔界に帰る」というルールで、本が燃える=敗退を意味していました。死を描かずに永遠の別れを表現する設定であり、いくつもの号泣ポイントが存在します。
では、続編では本が燃えるとどうなるのでしょうか?
Page.31時点で本が燃えた描写はまだないため、以下は推測になりますが、いくつか考えられる可能性を挙げておきます。
本が燃える=魔界に帰る?
まず、魔界と人間界の行き来が自由にできる以上、本が燃えても魔界に帰ることはないと考えられます。
仮に魔界に帰ったとしても、荒れた魔界に放り出されるだけなので、ここは変更されたと考えています。
本が燃える=魔界と人間界の行き来ができなくなる?
これもないでしょう。
作中の描写を見る限り、「自分の本とパートナーが揃うこと」という移動条件はないからです。
Page.28では、魔界に移動したサンビームとシスターが恐らくガッシュの本の力で移動しています。
その後、Page.31でモモンペアとウマゴンペアは人間界に戻っていますが、これはウマゴンの本による移動だと考えられます。
以上から、本が燃えたからといって移動手段が絶たれることはないと思われます。
本が燃える=術が使えなくなる?
Page.31で、術は本に戻せば敵に奪われないことが説明されました。この点について、私は「パートナー・呪文・使用者」を判別し、ロックする機能があると考察しています。詳細はこちらの記事で解説しています。

そして、ウィビラル・ザケルの記事に書いたように、術が出る条件は「本に触れている状態で呪文を唱えること」です。当然、本が燃えれば術は出せないことが想像できます。

本が燃える=ミイラに戻る?
「白い本・ミイラ・術のビン・パートナー・魔物の魂」が揃ったとき、本に色がつき、魔物はミイラから復活します。そうなると、本が燃えて失われたとき、魔物はミイラか、ボール状の魂に戻るかもしれません。
現時点で、ミイラから復活した魔物たちは仮の肉体で生きており、もし「本の力によって魂を肉体につなぎ止めている」とすれば、これは極めて大きな弱点となります。
まとめます。
- 本が燃えても魔界に帰る機能はない
- 色付きの本が1冊あれば、周囲の魔物やパートナーも移動できる
- 本が燃えると術が使えなくなる可能性がある
- 本が燃えた魔物は、魂やミイラの状態に戻る可能性がある

🧠 まとめ
- 「魔本」と「本」に明確な使い分けルールはなく、呼称に深い意味は見られない
- 「魔本」と「本」はどちらも「呪文が書かれた本」を指す同一の存在
- 続編では、本が燃えても魔界に帰る機能はないと考えられる
- 色付きの本が1冊あれば、他の魔物やパートナーも移動できる
- 本が燃えた場合のペナルティは、術の使用不能や魂・肉体の状態変化の可能性がある
🔍 次回考察への導入
今回は本の呼称と、本が燃えたときの設定が変更されている可能性について解説しました。
ガッシュ2ではこれ以外にも、「見ていないはずの術を知っている」「会っていない魔物を知っている」など、設定が変更されたのでは?と思わせる描写が存在します。追々触れていきたいと思います。
🧠 他の考察も気になる方へ
『金色のガッシュ!!2』に関する考察記事をテーマ別にまとめました。

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