こんにちは、スーパー四心です。
『金色のガッシュ!!2』から登場した敵組織(?)カードですが、彼らがどこから何を目的にやってきたのか、判断する材料はそんなに多くありません。
以前、カードの正体や役割について考察した記事もあるので、あわせてご覧いただけると嬉しいです。

カードは魔界から来る存在?
アシュロンの証言と拠点ジエラド
Page.16でアシュロンはこう言っています。
敵の拠点は魔界で一番北の大地ジエラド
そこに城らしき砦を構えている!!(Page.16 22P)
ここから、敵=カードの拠点は魔界内に存在することがわかります。
アギレラ国の戦士の回想
アギレラ国の戦士は、自身がカードとして蘇ったときのことを詳細に説明してくれました。
戦によって死んだが おかしな所をさまよった後に変な水槽の中にいた
目の前にべリエルがいて オレに聞いてきた(Page.16 24P)
この描写から、カードは「死後に“何らかの空間”を経て、魔界の装置で蘇る存在」であり、蘇生の場は魔界であると考えられます。
つまり、少なくとも“カードとして活動している段階”では魔界由来であると結論づけられます。
Page.22のブルーの台詞も、彼らが魔界から来たことを裏付けています。
そしたら蝶を連れて魔界へと帰るわ(Page.22 32P)
多様なカードの出自
魔界にない国から来た戦士
一方で、カードの中には魔界出身ではない者も存在します。
たとえば、アギレラ国の戦士との会話の中で、バリーはこう言っています。
アギレラ?知らない国だ
魔界の国ではないな(Page.16 24P)
このセリフからわかるのは、アギレラという国はバリーの知る魔界には存在しないということ。
そして、カードは“魔界で蘇った存在”であっても、生前の出自が魔界とは限らないということです。
元人間であるギルの存在
また、Page.6では、ギルが自身についてこう語っています。
一つ教えてやる
オレは元々は人間だった(Page.6 9P)
この言葉から、ギルは生前“人間界”で生きていた人物であり、死後にカードとして魔界で蘇ったと考えられます。
「元人間」=「今は人間ではない存在」であり、それが“カード”という存在であることを示しています。
以上のことから、カードには
- 魔界以外の異国(アギレラ)の戦士
- 人間界出身の元人間(ギル)
といった、生前の出自が魔界でない者たちも含まれていることがわかります。
魔物として生きていた者も?
ジリオンは“魔物呼ばわり”を否定しなかった
Page.17では、シェリーがカードの一人・ジリオンに向かってこう言い放ちます。
あなた達!!! やはり魔物ね
ブラゴはどこ!!?(Page.17 19P)
このとき、ジリオンは“魔物”と呼ばれても否定しませんでした。
対照的に、Page.2で登場したワイグはこう言っています。
さぁ オレは何者なんだろうな どう説明しようか…
とりあえずオレは「ワイグ」と呼べ それがオレという「カード」の名前だ!!!(Page.2 17P)
ワイグは自分が魔物であるとは言っておらず、「カードという存在」として名乗っています。
この対比から、ジリオンが“魔物呼ばわり”を否定しなかったのは、実際に生前は魔物だったからではないかという可能性が浮かび上がります。
もちろん、読者に説明する必要がないと判断されて省略された可能性もありますが、意図的に描き分けられていると考えると興味深いです。
ゼブリット・ブラザーズの過去
ジリオンを含む「ゼブリット・ブラザーズ」は、ジモダ、ガム、リーザを入れた4人組であり、劇中でも“ブラザーズ”として行動を共にしています。
彼らが生前に魔物だったとすれば、「魔物としての人格や関係性を持ったまま、カードとして蘇った」ということになります。
『金色のガッシュ!!』の世界において、魔物はそれぞれ独自の意志を持つ存在です。
つまり、ゼブリット・ブラザーズのように魔物由来のカードがいる場合、「魔界出身で魔物だったカード」という存在カテゴリが成立することになります。
🧠 ここまでのまとめ
ここまでの描写と考察を整理すると、カードという存在には以下のような多様な出自と背景があることが見えてきます。
- 魔界でカードとして蘇ったという点は共通している
→ 拠点ジエラドや水槽装置の描写から明らか - しかし、生前の出身地はバラバラ
→ アギレラ国の戦士のような“魔界に存在しない国”の出身者
→ ギルのような“元人間” - さらに、魔界出身で、生前は“魔物”だったと考えられるカードも存在する
→ ジリオンは魔物呼ばわりを否定せず、ゼブリット・ブラザーズも魔物由来の可能性が高い
現時点では、「カード=死後に魔界で蘇った存在」という共通点を持ちつつ、
生前は「人間」「魔界外の住民」「魔物」など、さまざまな存在が混在していると考えられます。
ここまで見てきたように、カードという存在は“死後に魔界で蘇った者たち”という共通点を持ちつつ、生前の出自は実にさまざまです。
特に、“魔物”だった可能性があるジリオンのような存在がいる一方で、作中では「誰が魔物か」を人間がどのように見極めているのか、曖昧な部分もあります。
そこで次に、作中における“魔物”という存在の認識や定義について、人間側の視点から整理してみたいと思います。
作中における術や魔物の認識について
『金色のガッシュ!!』における科学技術や文明の水準は、基本的にその時代の現実世界に準拠しているように見えます。
たとえば、旧作では存在しなかったスマートフォンが『2』では登場しており、現代的な技術レベルを反映していることがわかります。
この現代社会において、魔物や本の力といった現象は、明らかに“オカルト”や“超常現象”の領域に属するものです。
しかし、魔物の子供たちが人間界で普通に生活している描写は数多く存在します。これについて、雷句先生は以下のように語っています。
この世界設定はもう一つあります。それは
「へんてこな魔物が普通に生活していても、特に術とかを目の前で出さなければ、周りの人はまったくその存在について気にしない。」と、言う事です。
(金色のガッシュ!!20周年ありがとうなのだブック 96P)
つまり、“術”を使わない限り、魔物がそこにいても、人間は特に気に留めないというのが、この世界のルールです。
言い換えれば、超常的な現象を引き起こしたときだけ、人間は「これは魔物の仕業だ」と反応するということになります。
人間はフシギを目にしたとき、魔物のせいにする
では、人間はどのようにして「これは魔物だ」と判断しているのでしょうか?
基本的に、“魔物の存在”を正しく認識できるのは本の持ち主。つまり、魔物と行動を共にし、術の使用を間近で見ている人間たちです。
普通の人たちは、目の前で起きた不思議な出来事に驚くことはあっても、それが“魔物によるもの”だと断定できるような目は持っていないのです。
たとえば、以下のようなセリフがあります。
あなた達!!! やはり魔物ね
ブラゴはどこ!!?(Page.17 19P)
これはシェリーがゼブリット・ブラザーズに対して放った言葉です。
ここでは、「超常的な存在=魔物」という前提で会話がなされており、彼女自身が相手を“魔物”とみなしていることがわかります。
また、序盤でも以下のようなやり取りがあります。
魔物だろ?(Page.2 8P)
お前は…魔物じゃないな?何者だ?(Page.2 15P)
このように、清麿でさえ、「術のような力」を見た時点で“魔物”と断定し、相手の正体を判断しようとしています。
このような描写から、作中世界の人間たちは、「術」や「不思議な力」をきっかけに、“魔物かどうか”を直感的に判断しているということがわかります。
裏を返せば、魔物に似た存在が現れても、術を使わなければ魔物とは認識されないという可能性もあるのです。
🧠まとめ
- カードは全員「魔界で蘇った存在」であり、その拠点は北の地ジエラドにある
- ただし、生前の出自はバラバラで、人間界や魔界外の国、さらには魔物だった存在も含まれる
- ジリオンは“魔物呼ばわり”を否定せず、ゼブリット・ブラザーズも魔物だった可能性が高い
- 作中の人間は、術や不思議な力を見て「魔物」と判断する傾向にあり、正確な区別はつけられていない
- よって、カードという存在は「何者か」を一言で定義できない、非常に多様で曖昧な存在である
🔍今後の考察への導入
色々と考察してきましたが、現時点では、作中の台詞や描写から推測できることに限界があり、確定的なことは言えません。
断片的な情報をもとに組み立てられた仮説にすぎず、真実はまだ霧の中です。
今後、カードという存在やその背景が物語の中でさらに明かされていくことを期待しながら、
今回の整理と考察を、次なる推論の土台としていきたいと思います。
🧠 他の考察も気になる方へ
『金色のガッシュ!!2』に関する考察記事をテーマ別にまとめました。
