こんにちは、スーパー四心です。
先日、27冊の本の行き先を考察する記事を書きました。

そのあとに書いたファーンを再度考察する記事で、私は何気なく次のような文章を書きました。
白い魔本が飛んできていないということは、まだ魔物が復活するタイミングではないということです。アポロすら本を貰えていないので、本がタイミングや魔物を意図的に選択していることは明らかです。(或いは、雷句誠が)
https://furikaerebazakeru.com/kousatu-fa-n/
今回はこれについて考察していきます。ではいきましょう。
本が復活する条件
ひとまず、本が復活する条件を軽くおさらいしましょう。Page.31で清麿が詳細に語っています。
魔物が魂の状態のとき
魔物が一度死亡し、「魂(”命の欠片”とも)」の状態のとき、復活するには以下の5つが必要です。
- 魔物の魂
- 白い本
- ミイラ
- ビンの術
- パートナー
この5つが揃うと本に色がつき、魔物はミイラを割って復活します。このパターンで復活した魔物は、ブラゴ、コーラルQ、ウマゴン、ジルノーズの4体です。
ガッシュは最初に復活した魔物ですので、多少の例外があります。
「白い本→石の本」「ビンの術→ガッシュの手紙」と置き換えることで、条件に当てはまります。

魔物が生きているとき
一方、魔物が生きているときは以下があれば本が復活します。
- 白い本
- 魔物
- 新たな術の発現
- パートナー
このパターンで本が復活した魔物は、現在のところキャンチョメのみです。『モ・ポルク』発現によって復活しましたが、それ以外の術は取り戻していません。
パートナーがすでに登場しているモモンは、後々このパターンで本を取り戻しそうです。作中でもモモン自身が言及しており、確実視されています。
魔物が生きているとき-2
- 白い本
- 魔物
- 術のビン
この条件で本を取り戻したのはティオのみですが、これはかなり珍しい例です。
まず、ティオの本が復活するまでの過程を整理します。
- 白い本はなぜか清麿の前に現れ
- 本にティオの術を入れると
- 朱色に変化し
- 恵の危機を知らせました(Page.12)
本が清麿の前に現れたのは、清麿が「ティオの術のビン」を持っていたからです。ここから、本を復活させるのは誰でもいいという、適当な柔軟な設定が見えてきます。
状況からの考察
Page.12時点で復活していた本は、ガッシュとキャンチョメの2冊のみです。この時キャンチョメは入院していますので、動ける戦力はガッシュしかいません。
この状態で恵(とティオ)の危機を救うためには、どんな手段を使っても危機をガッシュたちに伝える必要がありました。
どちらかと言うと、Page.12時点で本当に危機だったのはティオのほうです。恵は何も知らずに歌っていますので、「恵の危機」というよりは、「恵を連れてティオを助けに行け」という本の命令です。

ここまでのまとめ
Page.7、Page.12の描写から、本は自力飛行ができ、突然出現します。
普段どこにある(いる)のかは不明ですが、敵に燃やされないように姿を消していると思われます。
つまり、本は魔物の状況(生死や術のあるなしなど)を的確に判断し、ベストなタイミングでパートナーの前に現れていると考えられます。
ですから、あれだけ清麿たちを助けておいて本が貰えていないアポロは、まだそのタイミングではないということです。決めるのは本か、或いは作者か…?
不可解な2冊の本
ここまでが前振りです。
これらの条件に当てはまらないにもかからわず、パートナーの手に渡った本が2冊あります。
①ザハラの部屋にあった本
Page.7で一瞬だけ描かれたザハラの部屋には、既に色のついた本がありました。
ゼリィの本だという意見が大多数であり、私も同じ意見です。時系列がややこしいですが、ゼリィの本には復活する根拠があります。
新呪文が出るタイミング
本に新しい呪文が出るには、魔物の決意や強い思いが必要でした。
魔物の子が本来もつ、”眠っている力”…
それが目覚めたとき、本に呪文として現れるだけ!(清麿/5巻 LEVEL.96 315P)

ゼリィには明確に決意するシーンがあります。
この世界に来てもキヨマロはいない!!
助けてくれるヒトはいない!!悪いヒトしかいない!!!
オルモを守ることができるのは 私しかいないんだもん!!!(ゼリィ/Page.1 49P)
直後にザハラが現れ、ゼリィとオルモを助け出します。これがパートナーでないなら、パートナーとは何でしょうか。(哲学)
この時点でゼリィのパートナーはザハラに決定しており、同時に新呪文(第二の術)が出ます。その後白い本が復活、移動し、ザハラの部屋に到着したと考えれば、作中描写ともうまく繋がります。
加えて、パートナー決定と同時に第二の術が出現するパターンには、ウマゴンという前例(完全版7巻 LEVEL.123)があります。ゼリィの本はキャンチョメと同じパターンで復活したと考えれば、矛盾なく説明がつきます。

②シスターのカバンに入っていた本
Page.30で、城塞内の病院のシーンで描かれたシスターのカバンには、紛れもなく白い本が入っていました。

ウマゴンの本はサンビームが持っていますので、これは間違いなくモモンの本です。そして、Page.31の馬車のシーンでは、モモンが自身の本が復活する可能性について言及しています。
じゃあ僕も新しい術が生まれれば
この本に色が付くんだね?(モモン/Page.31 11P)
なぜシスターの元に本が現れ、白いままなのか?
状況だけを見れば「モモンに新術が出ていないから」なのですが、なぜそうならないのでしょうか。
サンビーム一行の動き
モモン救出・ウマゴン復活は、魔界のエリオス城塞で起きた出来事です。
つまり、サンビームとシスターは人間界のアフリカから、ウマゴンのミイラと共に魔界に移動してきたことになります。描写がないため予測ですが、おおむね次のような順序だと予想できます。
- サンビーム、シスターの元へ白い本が飛んでくる
- 本がモモンの危機を伝える
- 清麿一行がウマゴンのミイラを持ってアフリカにやってくる
- (おそらくガッシュの)本の力でミイラと一緒に移動
この「本の力で移動」について、白い本でも人間を移動させられるのか、それとも色の付いた本だけなのか?は、現段階では不明です。私は色の付いた本にしかできないと予想しています。
なぜモモンに新術が出なかったか
なぜモモンに新術が出なかったのか。それは、モモンの秘めたる力や、強い決意が描かれていないからです。
モモンの活躍は‘Page.26~27で描かれましたが、この時のモモンは、自身の能力だけで行動しています。
「魔力を探知する力」は旧作からずっと持っており、秘めたる力とは言えません。また、魔法のペンはモモンの能力とは関係なく、こちらも秘められている感はありません。
さらに、モモンの行動原理は一貫して「シスターが笑ってくれる」です。思いはとても強く感動的なシーンですが、新術が生まれるにはまだ足りないようです。
「そんな気がしてならない」と言っていますので、決意というよりは虫の知らせとか、勘に近いものだと思われます。つまり、Page.27時点ではモモンの思いは願い止まりで決意ではなかったから、術が出なかったと考えられます。
付け加えておくと、この時点ではモモンは魔界、シスターは人間界にいます。魔物とパートナーの物理的距離が原因で新術が出ないのでは?と思えますが、距離は関係ないことが旧作で判明しています。
やはりブラゴとシェリーは別々に修行するのか?(清麿/15巻 LEVEL.294 206P)
ええ、でも新術が出た時は、そのたびに会って術を試すわ。(シェリー/15巻 LEVEL.294 206P)

🧠 まとめ
- 魔物の本が復活する条件は、「魂状態」と「生存状態」で異なる
- Page.31の清麿の説明をもとに、条件は大きく3パターンに分類される
- 本は自力で飛行・出現し、魔物やパートナーの状況を“判断”している可能性が高い
- ゼリィの本は決意による新呪文発現で復活したと考えられる
- モモンの本は白いままで、決意や新術がまだ生まれていないため未復活
- アポロがまだ本を受け取っていないのは、「本が選ぶタイミングではない」ため
- 本の出現条件には柔軟性があり、雷句誠による“演出上の意志”が感じられる
🔍 次回考察への導入
本の復活と条件について、いくつかのパターンと設定を拾いながら考察しました。
モモンの本が復活することは確実視されていますが、まだまだ再会してほしい魔物とパートナーがたくさんいます。
次はどの魔物が再会するのか?楽しみに待ちたいと思います。
🧠 他の考察も気になる方へ
『金色のガッシュ!!2』に関する考察記事をテーマ別にまとめました。


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