こんにちは、スーパー四心です。
7月14日に、『金色のガッシュ!!2』 Page.32が配信されました。日付変更と同時に読み終え、最速で考察した記事は下記リンクからご覧ください。

Page.32感想
先に書いておきます。
Page.32はクソつまらねぇ回です。
ルナ・オリヴェイラとカフィー、エレビーの邂逅
前回Page.31は、ルナ・オリヴェイラの元にカフィーとエレビーがやってきたところで終わりました。
「ジルノーズに会いに来た」と話すカフィーを、車いすの老婆カミラが歓迎します。「ジルは家でポン・デ・ケイジョを食べている」というセリフから、ジルノーズの愛称がジルであることがわかります。
そして、ジルノーズを知った口ぶりですが、私はこれは認知症の症状では?と思っています。この段階ではジルノーズは復活しておらず、家にいるはずがないからです。
ルナも突然やってきたカフィー、エレビーを敵視せず、打ち解けているように見えます。この大らかさがルナ・オリヴェイラという女性のキャラクター性かもしれません。
サソリに刺されるカミラ
カミラがサソリに刺され、アナフィラキシーを発症します。本来はすぐに薬が必要ですが、カフィーが不思議な能力で治療します。
カミラの「中」にオレの声を届ける
だからあんたの耳が入り口で必要なんだ(Page.32 6P)
カミラに優しく語り掛け、声を届けるカフィー。カミラの体を造っている小さき者達に光を当てると、カミラの呼吸と表情が穏やかになっていきます。
この過程で頭に浮かべただけの孫の名前を当てていることから、カフィーは思考が読めるかもしれません。優しくカミラの手に触れ、語り掛け、治療するカフィーを見ると、このキャラクターが敵の「カード」であることを忘れそうになります。
この直後、極めて重要な質問がルナから投げかけられます。

ルナとの友情
そうか ジルノーズを知ってたね
魔物なの?また王を決める戦いとかが始まったの?(Page.32 11P)
ここでも、人間はフシギを見ると魔物だと判断することがわかります。人間にとって、フシギは魔物の起こす現象であり、文明や技術レベルを超えた事象は全て魔物のせいにするという私の説が補強されました。

そして、カフィーの答えも重要です。
2つともNOだ
オレはカフィー こっちはエレビー
ジルノーズと友達になりたくて来たんだ(Page.32 11P)
「2つともNO」の意味は、「オレ達は魔物ではないし、王を決める戦いは始まってない」という意味です。Page.17でジリオンは魔物呼ばわりされたとき否定しなかったことから、私はゼブリット・ブラザーズはカードになる前は魔物だったのでは?と考えていますが、カフィーとエレビーは明確に否定しています。
つまり、ギルのように生前は人間だった可能性が高いです。2人の容姿もかなり人間に近く、少年と少女にしか見えません。何らかの事情で命を落とし、ベリエルに蘇生されカードとして使役されているのでしょう。
ジルノーズと友達になりたいということは、私とも友達…ルナはカフィーとエレビーを受け入れ、奇妙な友情を結びます。
カフィーはジルノーズを最重要魔物と評しました。
Page.31でガッシュが「あの者の力は私たちを助けてくれる」と述べていることから、ガッシュたちにもカフィーにも重要な能力を持つ魔物であることが伺えます。
ここまでがサンプルの公開範囲で、私はジルノーズの能力を「後方支援に特化した回復、バフ、デバフなどの魔法使い系」と予想しました。

ガッシュと清麿の合流
雨の中海ではしゃぐエレビーを見つめる、カフィーの切ない笑顔。ただならぬ事情があることが伺えます。そこにガッシュと清麿が合流します。カフィーの口から、カード間である程度情報共有がされており、清麿は「ツッコミ王清麿」と呼ばれていることが語られました。
ジルノーズの復活はガッシュたちの助けになる…カードであるカフィーがそれを行うことは、ベリエルに背くことになります。ベリエルは遠隔でカードの命を奪えるため、危険ではないか?と清麿は危惧します。
カフィーは自身の能力で球を隠すことでべリエルをかわし、エレビーを解放してやりたいと話します。
エレビーを自由にしてやりてえんだ
ベリエルの操り人形の様なこの体から解放してやりたい(Page.32 24P)
これがカフィーの目的であり、そのためにジルノーズの術が必要だから、ジルノーズと友達になりに来たというわけです。
ジルノーズ復活
そして、ジルノーズが復活します。①白い魔本②ミイラ③魔物の魂④術のビン⑤パートナーの5つで復活するのは、ブラゴ、コーラルQ、ウマゴンに続き4例目。これからもスタンダードになりそうです。
見た目は若いビッグ・ボインといった感じ…ムチムチレオタードでかなり人気の出そうな見た目をしています。
復活したジルノーズに、カフィーが頼み込みます。
ジルノーズ!!!
お前の術ミラコプス・ノヴァでエレビーに自由な肉体を与えたい!!!(Page.32.31P)
ルナの持つ本には、「ミラコプス・ノヴァ」と「ミラコプス・アルテレゴ」の2つの術が戻っています。
「凄く良い術がある」と語るジルノーズの目が飛び出ており、かなりの上級術であることがわかります。
これまで、術のビンから新しい術が出現した例はないことから、王を決める戦いの時点でも習得していたと思われます。
ジルノーズの能力
さぁ、答え合わせです。
ジルノーズの術は本物の肉体のように動き、活動する人形を造り出す術であることが判明しました。
そして、ガッシュたちミイラ組の「仮の体」は、3000年前のジルノーズの先祖が造り出し、遺跡に安置したミイラであることも語られました。
私の事前予想は完全に外れました。しかし、戦闘向きではなさそうな能力に見えます…。王を決める戦い当時は、ルナとお人形遊びをするのが好きなだけで、戦いは好きではなかったかもしれませんね。
「ミラコプス・ノヴァ」について、Page.32公開直後に考察した記事があるので、是非ご覧ください。

総まとめ
今回明かされた新情報
- カフィーの目的はエレビーを自由にすること
- ジルノーズは若いビッグ・ボインのような容姿、ムチムチレオタードで人気は出そう
- ジルノーズの能力は「人形を作る」こと
- 「ミラコプス・ノヴァ」はかなりの上級術
- ガッシュたちミイラ組の仮の肉体であるミイラは、3000年前のジルノーズの先祖が造った

率直な感想
私は正直、「またこれか…」と思いました。残念でなりません。Page.31が期待外れだったので今回は話が動くと思いましたが…結局ジルノーズが復活し、呪文を唱えただけで、事態は何一つ変わっていません。
そもそも、旧作に登場していないジルノーズに全く思い入れがなく、感情移入できません。同じ新キャラでもカフィーにはよっぽど感情移入できます。この違いは何だろう…と考えたとき、私は一つの結論を得ました。
旧作『金色のガッシュ!!』では、読者の知識=ガッシュの知識であり、どんな突飛な設定や展開が出てこようと、「ガッシュは記憶喪失だから知らなかった」で説明づけられました。父親が魔界の王であること、ゼオンが実の兄であることなどは、「はいはい血筋血筋…」と言われかねませんが、記憶喪失であるおかげで受け入れられました。
一方で、ガッシュ2におけるガッシュの知識は、読者のそれを大きく上回っています。例えば、ガッシュの体が「仮の肉体」であることには、Page.7の時点で触れています。
ご飯も美味しく食べられるが自分の体でないことは確かだ
借り物の体という所かのう(Page.7 14P)
であれば、ジルノーズの名前はここで出しておかなければなりませんでした。
「ジルノーズという魔物がおる。その者の3000年前のご先祖様が、術の力で作ってくれたと伝承に残っておる」のような一文でもあれば、ジルノーズという新キャラをもう少し受け入れられたでしょう。
このガッシュと読者の知識の差が、そのまま「語られていない設定の量」になってしまい、どんなキャラクター、どんな設定を出しても後付け、ご都合主義に見えてしまいます。私はこれが致命的なポイントだと思っていて、ジルノーズというキャラクターに存在意義を見出せません。
例えば、「ミイラを遺したのは3000年前のファラオと魔界の王」で良かったじゃないですか。遺跡を造った人がミイラも遺して、後の世に希望を託したとすれば話はきれいにまとまりますし、無駄な新キャラで27冊しかない本を消費せずに済みます。

ジルノーズの能力そのものは面白く、予想を裏切られました。しかし、この強力な能力を持つ魔物が、王を決める戦いであっけなく敗退した理由が見えません。これほど重要な能力を持つなら、戦いとは関係のない(新キャラでも整合性を損なわない)王の副官とか、魔界のお医者さんのようなキャラクターを出せば良かったのです。
総じて、ルナ・オリヴェイラもジルノーズも現状ではノイズでしかなく、我々はまたしても雷句誠の描きたいものを見せられるだけであり、我々が読みたいものは読めないという現実を突きつけられました。
Page.31、Page.32と続けて話の動かない日常回を見せられ、とてもPage.30を描いた作者と同一人物だとは思えません。『金色のガッシュ!!』は紛れもない名作ですが、2は正直ガッシュだから何とかなっているだけで、読めたもんじゃないと思っています。来月は多少話が動くことを期待します。
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