こんにちは、スーパー四心です。
『金色のガッシュ!!2』Page.4で清麿たちが訪れた遺跡には、「3015年後に大いなる厄災が友の世界を襲う」という予言が刻まれていました。
遺跡が作られた年代について、作中では明確な言及がありません。ただ、「3015年後はおおよそ現在(作中の時間)に相当する」との記述があるため、少なくとも3015年以上前に建てられたことは確実です。
では、この遺跡は誰が、何のために建てたのか?
本記事では、遺跡の建設者・目的・背景に加え、なぜ過去の王たちが遺跡の「奇跡」を使わなかったのか、そして厄災とは何かについて、順を追って考察していきます。
遺跡の建設に関わった可能性のある人物たち
遺跡の建設者を考察するにあたっては、「建設を命じた人物(発案者)」と「実際に建設を担った人物(実務者)」を分けて整理するのが自然です。
以下では、まず発案者として考えられる3つの候補と、施工に関わった可能性のある人物を合わせて紹介し、それらを踏まえた上で私自身の仮説を提示します。
候補①:当時のファラオ
作中時間を西暦2025年と仮定すると、3015年前は紀元前990年ごろにあたります。
この時代のエジプトは第21〜22王朝期で、プスセンネス2世やシェションク1世といったファラオが実在していました。
もし当時のファラオが「魔物のパートナー」として本の力を持ち、魔界の協力者と共に厄災を乗り越えたとすれば、未来の厄災を予見し、自らの判断で遺跡の建設を命じた可能性があります。
王としての権力と責任、さらに人間界・魔界両方に影響を及ぼせる立場であることを考慮すると、十分に現実的な候補と言えるでしょう。
このような背景を踏まえると、後述する私の仮説では、まさにこのファラオが魔界の王のパートナーであり、遺跡建設を主導した存在として想定しています。
候補②:魔界の王のパートナー(ファラオに限らない)
仮にガッシュの即位を13年前(2012年)とした場合、3015年前はちょうど4代前の魔界の王の時代にあたります。
この時代、魔界の王と本を介してパートナー関係を結んでいた人物が、当時のエジプトの神官や王族の近親者など、ファラオに近い地位にある人間だった可能性もあります。
その人物が未来の厄災を予見し、後世への警鐘として遺跡の建設を提案・主導したとすれば、ファラオはその提言を受けて協力者として建設に関わったと考えることができます。
この説では、建設の発案者はファラオではなく、その周囲にいた高度な知識や信仰的役割を持つ人物ということになります。
候補③:賢者(ハキーム)
作中で「天才的な現場監督」と評され、石組みによる“サイン”を遺した人物、それが賢者ハキームです。
彼は、重要な施設の前に特徴的な石の構造を施すことで、「この先に重要なものがある」と伝える役割を果たしていました。
実際、清麿たちがそのサインを手がかりに遺跡へたどり着いたことからも、ハキームがこの遺跡の設計や施工に深く関わっていたことは間違いありません。
ただし、彼は発案者や命令者ではなく、指示を受けて建設を実行した技術者的存在として捉えるのが妥当でしょう。
私の仮説
以上の3つの候補を踏まえたうえで、私が導き出した結論は以下のとおりです。
3015年前、魔界の王と共に厄災を退けたパートナーは、当時のエジプトのファラオだった。
厄災の再来を予見したファラオは、未来へ備えるため、賢者ハキームに命じて遺跡を建設させた。
建設には市民も協力し、“後の世に希望を託すサイン”が石組みによって刻まれた。
この仮説では、
発案者・指導者:ファラオ(魔界の王のパートナー)
設計・施工:ハキーム
建設実行:エジプト市民
という三層構造で、作中描写と矛盾のない、整合的な説明が可能になります。
なぜダウワンは遺跡の「奇跡」を使わなかったのか?
ここでひとつ疑問が浮かびます。
ダウワンの時代には、魔界が滅亡しかねないほどの戦争が3度も起きていたとされています。そのうち1度は、「魔界の者ではない者たちに術の力を奪われた」と、ダウワン自身が語っています。
それほどの危機だったにもかかわらず、遺跡の“奇跡”が発動した形跡は見られません。
なぜ使われなかったのでしょうか?
あくまで推測ですが、「本とパートナーが自然に現れ、事態を解決したため」、つまり奇跡に頼る必要がなかったのではないかと考えられます。
遺跡の奇跡が“本を生み出す”ものだとすれば、本が自然に現れた時点で奇跡は“発動した”とも解釈できます。
また、残る2度の戦争は魔界同士の内戦だった可能性が高く、術の力が正常に使えていたため、特別な介入も不要だったのでしょう。
このように考えれば、あえて使う必要がなかったと解釈する方が自然に思えます。
出来事の流れを整理すると
ここまでの情報をもとに、魔界と人間界で起こった出来事の流れを時系列で整理してみます。
- 3015年前(ガッシュから4代前)、魔界で厄災が発生
- 魔界の王と人間界のパートナー(ファラオ)が共闘し、厄災を退ける
- 厄災の再来を予見し、ファラオがハキームに命じて遺跡を建設
- 遺跡には「希望(石の本とミイラ)」が封じられる
- ダウワンの治世で再び厄災が発生するが、本とパートナーが現れ問題を解決
- ダウワンは遺跡の伝承を知っていたが、奇跡は使わなかった
- ガッシュの治世で再び厄災が発生したが、本とパートナーが現れなかった
- ガッシュたちはゼリィ・オルモ・ミッピを人間界に避難させる計画を実行
- 清麿が遺跡を発見し、そこに眠る希望から本が再び現れる
厄災の発生間隔には明確な周期は示されていませんが、複数の時代で繰り返し発生していることから、“周期的な脅威”として捉えることもできそうです。厄災は、まるで1000年に一度訪れる自然災害のような周期的脅威なのかもしれません。
また、作中未登場の王、ガッシュから数えて2代前、3代前の王の時代にも同様の厄災が起きていた可能性はありますが詳細不明です。
「厄災」とは何か?
これまでの考察をふまえると、『金色のガッシュ!!2』における「厄災」は、次のように定義できると考えられます。
魔界の者ではない存在によって、王を含むすべての魔物が術の力を奪われ、魔界が滅亡の危機に陥る災害。
これを打ち破るためには、本とパートナーの力を借りるしかない。
この「厄災」は、特定の時代に限られた出来事ではなく、何世代にもわたって繰り返し発生している構造的な脅威だといえるでしょう。
🧠 まとめ
- 遺跡は3015年以上前に建てられ、現在に「厄災」を伝えるための予言装置だった
- 建設の発案者は当時のエジプトのファラオ(魔界の王のパートナー)とする説が有力
- 設計・施工は賢者ハキーム、市民も協力して「希望」を遺したと考えられる
- ダウワンの時代には遺跡の「奇跡」は使われず、代わりに本とパートナーが現れ解決
- ガッシュたちの代では奇跡を起動することで清麿が本を再生、危機へ立ち向かう流れに
- 「厄災」は魔界の術を奪い滅ぼす周期的脅威であり、本とパートナーによる対抗が必須
🔍 次回考察への導入
作中ではまだ、遺跡に眠っていた「石の本」や「ミイラ」の詳細が明かされていません。
それらが誰に関係するものなのか、今後どのような形で物語に関わってくるのか──
引き続き、遺跡に託された“希望”の正体に注目していきたいところです。
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